T 日程
日時 平成17年9月29日(木)、30日(金)
場所 鯉城会館5階パール東(広島市中区大手町1−5−3)
日時 |
内容 |
講師 |
9月29日(木) 9:30〜16:30 (途中休憩1時間) |
「自主企画事業入門」
企画・予算の立て方。他の市町との共同企画・共同制作、全国の参考事例など。
□ 事例報告
● 庄原市民会館 増永正己 氏
● 広島市南区民文化センター 上中道夫 氏
□ ディスカッション |
NPOトリトン・アーツ・ネットワーク
児玉 真 氏 |
9月30日(金) 9:00〜12:00 |
「自主企画事業入門」
演習など
(テーマを決めて、自主企画を立ててみる) |
NPOトリトン・アーツ・ネットワーク
児玉 真 氏 |
13:00〜16:00 |
広報について
事業の具体的な広報の方法、効果的な広報手段など |
文化科学研究所
坪池栄子 氏 |
U 参加者・参加人数について
- 参加者
- 県内自治体の文化行政を担当する職員や、文化施設・社会教育施設などに勤務する職員
- 参加人数
- 2日間で延べ45名(内訳は、29日が24名、30日が21名)
V 実施概要
1.自主企画事業入門
講師: 児玉 真 氏
講師プロフィール
1950年4月2日生まれ。大学卒業後、当時最大手と言われた音楽事務所に入社。外国アーチストの招聘、演奏家のマネジメントなどを手がける。1986年からカザルスホールの企画の仕事にかかわり、オープン前のホールコンセプトメーキングから企画制作実務まで幅広く手がけた。2001年から晴海に新設された第一生命ホールの自主企画を担うNPOトリトン・アーツ・ネットワークと関わり、ホールでの芸術活動と地域でのコミュニティ活動を連携させていくという活動を行っている。現在、NPOトリトン・アーツ・ネットワークのディレクター(非常勤)。そのほか、音楽ホールネットワーク協議会企画委員、長崎市芸術アドヴァイザー、地域創造公共ホール音楽活性化事業チーフコーディネーターなどを務める。
第1日目 講義の様子
【講義内容】
先ず、ホールの存在意義や、自主事業がなぜ必要なのかなど、ホールの使命を明らかにすることの必要性について話がありました。
次に、自主事業のつくり方についての講義が行われました。どの施設も予算のない状況の中では、いかに企画にポイントをつくるかが重要であり、テーマを決めて特徴づくりを行い、そこへ集中的に投資する必要がある。ポイントづくりのためには、担当している(1)市町の特徴は何か、何が得意か、(2)何が足りないかを考える必要がある。参加者はこれら2点の課題に取り組みました。
その他、「企画を拡げる」「スケジュール表をつくる」など、数多くの実践的なアドバイスがありました。よい企画者になるには、他分野にも興味を持ち、情報を得、活用することが有効であるということでした。
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事例報告の様子
庄原市民会館の増永正己氏と広島市南区民文化センターの上中道夫氏による事例報告が行われました。
庄原市民会館からは、自主事業の成功事例として、「バックビートグランプリコンサート」や「本物の舞台芸術体験事業」などに関する報告が行われました。
広島市南区民文化センターからは、お客様満足(CS)の重視や経営感覚のある効率的な運営を追求した試みに関する報告などが行われました。
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第2日目 演習の様子
二日目の演習では、4つのグループに分かれてグループワークを行いました。
それぞれのグループ毎に、講師から出された2つの課題(A案・B案)の内の1つを選び、スケジュール表を作成しました。
- (A案)
- 来年秋(一応11月下旬)にオーケストラ(東京)の公演を行うが、曲目はマーラーの交響曲がメイン。このコンサートに向けての準備と盛り上げのプログラムを考え、スケジュールをつくってほしい。
- (B案)
- 来年ジュニア弦楽アンサンブル(オーケストラ)をつくるが、それだけでは地元の理解を充分に得にくい。地元を巻き込んだり、アンサンブルへの理解を促進するプログラムを考え、来年度末の発表に向けてスケジュールをつくってほしい。
最後に、それぞれのグループが作成したスケジュール表の発表が行われました。
2.広報について
講師: 坪池 栄子 氏
講師プロフィール
1955年広島県生まれ。広島大学政経学部卒、同大学大学院環境科学研究科修士課程修了。1981年〜95年までぴあ株式会社勤務。雑誌「ぴあ」の演劇記者(81年〜89年)を経て、ぴあ総合研究所(現・文化科学研究所)で文化イベントデータベースの企画・開発、文化産業専門誌の編集等に携わる。95年より財団法人地域創造の発行する「地域創造レター」、雑誌「地域創造」の編集プロデューサーとして、芸術文化による地域づくりをテーマに取材活動。2004年より国際交流基金の運営する舞台芸術専門サイト「Performing Arts Network Japan」の編集プロデューサーとして、日本の現代舞台芸術と海外の舞台芸術シーンの情報発信を手がける。
【講義内容】
先ず、指定管理者制度の導入により解散を余儀なくされた財団などの事例が示され、集客のための宣伝ではなく、自分たち(財団・施設)の使命や役割を宣伝していかなければならないという話がありました。
次に、広報・宣伝の媒体や広報スケジュールなどに関する実践的な講義が行われました。地元の人たちを巻き込んだ広報・宣伝の工夫などが話されました。
最後に、広報・宣伝に対する発想を転換することが重要だという指摘がされました。目先の事業にとらわれずに、自分たちが行っている事業の価値を広報・宣伝によって高めていくこと(価値の増大)、告知できる機会を増やすこと(機会の増大)、社会(納税者、支援者、各種団体など)と信頼関係を築き、それを持続させられるような広報・宣伝を図ること(信頼の増大)などが重要であるということでした
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W 参加者の声
参加者の感想の中から一部をご紹介します。
「自主企画事業入門」の講座について
- 色んな発想とかに接することができた。
- 実例も多く、参考になった。
- 民間の講師の方だったので役所の目線とは違う観点の話が聞けて「目から鱗」なこともあった。講義を聞くだけでなく、課題について考えたり、グループで企画することで有意義な研修となった。
- 催し物の企画の立て方や他の会館の成功事例などを聞くことができて、勉強になった。
- 事業の成功=入場者数と捉えていたので、年間を通じてのテーマを設定していきたい。
- 4月の移動によりこの職場に来たが、基礎がないので大変役立った。
- 企画の立案、事例紹介、広報方法など大変役に立つ情報を聞くことができた。できれば自主事業をするにあたって企画の立て方など(出演団体の決定から交渉まで)を教えてもらえたらよかった。
- 我流での自主事業企画を行ってきたので、色々と勉強になった。
「広報について」の講座について
- 広報・宣伝の目的意識のようなものをより深く知ることができた。
- 視点を変えた広報の大切さがわかった。
- 企画の宣伝方法が詳しく分かり、実際現場で活躍されている方が講師だったので説得力があり、またおもしろく、興味深く聞けた。親しみやすい会話でされたのでよかった。
- 具体的な説明でとても解かりやすかった。
- 広報・宣伝の基本を勉強することができた。
- 今後のヒントを得ることができた。
- チケット売上の為だけの宣伝ではないとわかった。
- 仮チラシという発想がなかったので、参考になった。
- 広報の考え方等、入場者を増やすだけではなく、もっと広い意味での広報活動をしなければならないことを知った。
その他感想・要望
- 私は公民館主事なので、今回対象の文化施設ではなく社会教育施設のため、少し違う内容のところもあったが、両方とも根本の「事業を企画して実行する」という点では重なる部分も多く、応用していけると思った。
- 施設から複数で来られている方がうらやましい。研修結果を職場に普及しやすいと思うので。
- 交流会を企画してほしい。事例発表も自分の仕事を見直すことができた。
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