1.自主企画事業入門
講師: 児玉 真 氏
第1日目 講義の詳細
ホールの存在意義
・指定管理者制度の導入により、より一層、町にホールがあることの意味が問われている。
→ 何をやるのか。どのビューポイントからホールの運営をみるのか等、存在意義がはっきりしていれば悪い方向へはいかない。
・町にホールがある(できる)ことの意義を行政は上から見る。
→ 文化は個人個人の集合体であり、個(私)の生活がどう変るのかの総体として捉える必要がある。
合併による広域化
・拠点ホールから離れた場所に住む人がますます増加
→ アウトリーチ活動の必要性が増している。
自主事業は必要か?
・マーケットの論理ではできないが、必要とされていることをする。
→ ニーズのために事業を実施するのではなく、ウォンツ(潜在的需要以上に、より潜在的に社会が求めているもの)のために事業を行う。
・長崎市グリックホールの事例
→ 予算規模が少なかったため、自治体がやるべきこととして、クラシック音楽の未来の客を育てるための普及型企画と市民参画型舞台に特化する。
自主事業のつくり方
・ウォンツの発見
a.今必要なものは何かを考える。
b.得意な分野を探す、伸ばす。
→ 町の宣伝材料になり、直接世界に結びつける。(東北の中新田バッハホールの事例)
・企画を考える
→ ポイントをつくる。
・どこのホールも予算がない状況
→ テーマを決め、特徴づくりを行い、そこへ集中的に投資する。
(テーマ例) 市民参加、高レベルな企画、普及型に集中、町の伝統芸能に結びつける等
・企画を拡げる
コアになる企画にどれだけプラスのアイデアを足していけるか
→ 周辺企画はできるか、関連企画はできるか、守備範囲の拡大はできるかを考える。
一人で考えていると企画が閉じていく
→ 広がっていく(開いた)企画ならば市民もアイデアを出せる。
・スケジュール表をつくる
やるべき事をリストアップする(KJ法の活用も一つの考え方)
配置図を考える(何を、いつ、どこへ配置すれば、当日良い状況になるかを考える)。
企画時に、予算、広報・宣伝のことまでの全てを一緒に考える。
・良い企画者になるには
→ 他分野に興味を持ち、情報を得、活用する(皆がやっていないので、新しい事をやっているように思われる)。
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