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けんみん文化祭ひろしま'16
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文芸祭 入賞・入選作品発表
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【俳句】川崎益太郎 選
【俳句】川崎益太郎 選
※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。
小・中・高校生の部【特選】
作品
学校名
お名前
鬼灯を渡しつぶやく嫌いだよ
県立府中高等学校三年
石川 晴香
【評】好きなのに、好きだと言えない、屈折した若者の心が読める。「嫌いだよ」という下五の措辞が切ない。
成長のあかしを見せる墓参り
福山市立中央中学校三年
松本 朋也
【評】墓参りの目的を的確に表現した句である。若い作者でないと詠めない視点の句である。
風りんが風のささやき伝えてる
神石高原町立豊松小学校六年
早崎 拓人
【評】風鈴の音は、風に鳴らされるのではなく、風のささやきを伝えているのだ、という詩的な感覚に惹かれた。
この時を生きた証の蝉時雨
呉市立広中央中学校三年
万琴
【評】やや理屈っぽいが、力強い句で、その哲学的な捉え方に惹かれた。寿命の短い蝉ならではの句である。
美しき涙を誘う花火かな
呉市立横路中学校三年
八十川綺星
【評】花火と涙、やや、ありがちの取り合わせの句景ではあるが、きれいな句である。
小・中・高校生の部【入選】
作品
学校名
お名前
げんかんでひっくりかえるいきたせみ
東広島市立平岩小学校一年
岡平 花凛
せみの声命の重み響かせて
呉市立広中央中学校三年
大川 航希
オバマ来る風化させないあの夏を
呉市立呉高等学校一年
寺山 夏生
将来も僕の心も蜃気楼
県立庄原格致高等学校二年
城田 心
蓮のはなすんなりのびる君のよう
広島市立基町高等学校二年
田 真衣
ぬれながらよりそい歩くかたつむり
呉市立広中央中学校三年
井上 愛理
たけのこが十二単を着ているよ
尾道市立吉和小学校六年
竹野 昂生
ゴメンネとすなおにいえぬ夏の夜
銀河学院中学校一年
河村 朋果
夏の夜に共に消えゆく恋心
比治山女子高等学校一年
佐藤 汐里
夏の海空に届くか水しぶき
比治山女子中学校三年
半田 奈穂
光知り影を忘れし向日葵や
福山市立福山中学校三年
畦崎 丈晴
夏の空見上げる私は
心
しん
呼吸
呉市立呉高等学校三年
田邊 裕汰
星空を見上げて夏の大三角
東広島市立乃美尾小学校六年
田 稜馬
だあれだかほたるぶくろで休んでる
尾道市立吉和小学校四年
後藤菜々美
忘れない共に過ごしたあの夏を
呉市立呉高等学校二年
村武 亜海
シャボン玉故郷遠くとんでゆけ
福山市立中央中学校一年
近藤 春花
春うららわたしの心もうふふふふ
県立三原高等学校二年
久井 沙織
風鈴や江戸の創った自然の音
府中市立府中中学校二年
海原 莉奈
そらまめぴかりニョキッとかおをだす
尾道市立吉和小学校二年
四宮朋ノ花
春風や出会いと別れ運ぶかな
比治山女子中学校三年
上原彩智栄
はかなくも命ちりゆく誘蛾灯
比治山女子高等学校二年
鳴戸 奈美
一般の部【特選】
作品
地域
お名前
果ててゆくための変化や蝉の羽化
三原市
成末知歌子
【評】羽化は蝉の誕生であるが、短命の蝉のカウントダウンでもある。まさに、果ててゆくための変化なのである。
原発の村の鉄鎖や油照り
三次市
前原 俊五
【評】未だ解かれない鉄鎖は、物としての鉄鎖だけでなく、心の鉄鎖でもある。油照り、という季語が効いている。
地震あとの海月のやうな昼の月
山県郡安芸太田町
前田 清子
【評】昼の月は、白っぽく、海月に似ている。地震あとの海月と言われると、切ない気持が胸に込み上げてくる。
萍の風に小径を空けにけり
広島市
原田 久雄
【評】一面の萍が、風の小径を作るように静かに空けられた、という幻想的な句である。小径という措辞も上手い。
一般の部【入選】
作品
地域
お名前
炎天や球児に遠き甲子園
福山市
肥後 弘子
啓蟄や酸素不足の顔をして
広島市
山口 順子
あじさいの葉上に白く光る道
呉市
岩倉香陽子
緑陰や一両電車を包みこむ
福山市
甲斐 善子
受粉の夜みてみたきかな烏瓜
廿日市市
小川 洋子
悠悠と独り暮らしの金魚かな
広島市
羽城 裕子
五右衛門を演じる巡査村芝居
広島市
小林 孟司
螢火のつづりし恋のくづし文字
呉市
加藤 浩
蛇苺いやな予感のする小道
三次市
松田 一枝
あじさいや雨の窓辺に七変化
福山市
甲斐稚秀子
捨畑は山に還りて花いばら
安芸郡府中町
石橋 康徳
端居して聞き捨てならぬことを聞く
広島市
川手 和枝
光陰やこの身も蓮の露ひとつ
福山市
亀井 福恵
螢の新しき闇育てをり
福山市
神原三千世
放棄田に風誘ひをる姫女苑
東広島市
森川 慶子
スプーンで崩してみたき夏の雲
広島市
星加 鷹彦
父が吹きまねて子が吹く麦の笛
広島市
中島 洋子
柔かき地球に座る南瓜かな
三次市
錦 武志
峰雲や雲が雲呑み太りたる
東広島市
寺田 記代
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