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【俳句】川崎益太郎 選
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小・中・高校生の部【特選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| ひまわりの黄色は笑顔黒は未知 | 広島市立楠那中学校二年 | 宮地愛咲花 |
| 【評】ひまわりと笑顔はよく見る比喩だが、中の黒い部分に目を向けた感性。そこは未知と断定。未知が新鮮で上手い。 | ||
| 引出しに「先生あのね」秋螢 | 県立広島高等学校二年 | 光重 奈奈 |
| 【評】誰の引出しか。先生あのね、の続きは。いろんな場面が思い浮かぶ。秋螢でよりイメージが膨らむ。 | ||
| いただきます一から育てた夏野菜 | 府中市立府中中学校三年 | 宮本やわら |
| 【評】畑づくりから心を込めて育てた野菜を食べている情景である。〈いただきます〉が、斬新である。 | ||
| 甘い木につられる君はカブトムシ | 県立三原高等学校二年 | 酒井 皐汰 |
| 【評】よく分かる句。好きな人に危うさを感じている。本当に愛しているのは、作者であるというメッセージの句である。 | ||
| 今日だけは花火の脇役大鳥居 | 広島大学附属三原中学校一年 | 田中 沙英 |
| 【評】花火の句で大鳥居に焦点を当てた斬新な句。脇役が上手い。 | ||
小・中・高校生の部【入選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| ひまわりが小さく見える成長期 | 清水ヶ丘高等学校三年 | 福光 未紗 |
| 落ちてきたくりの仲間がはしゃいでる | 庄原市立比和小学校六年 | 梶田 敏弘 |
| 遊ぶ子のセミより大きい笑い声 | 福山市立城北中学校一年 | 杉原 涼太 |
| せみの声あなたの声に似ているね | 県立三原高等学校二年 | 安田 玲哉 |
| 少しだけ悲しく聞こえる蝉の声 | 銀河学院高等学校三年 | 井上 和 |
| あさがおが口を開いてまたとじる | 東広島市立乃美尾小学校三年 | 吉本 玲菜 |
| 日にかざし空すき通るラムネ瓶 | 広島なぎさ中学校一年 | 早稲田 晃 |
| 一点の濁りも見せない青田かな | 県立尾道北高等学校一年 | 西門 早紀 |
| 水澄むや幼き少女の恋心 | 県立広島高等学校一年 | 溝手 春花 |
| 水映る二人の影と花火かな | 三次市立十日市中学校三年 | 久保井 麗 |
| ミンミンと蝉がわがままいいだした | 県立尾道北高等学校一年 | 前原 恵里 |
| いいおとだかかえてかえるでかすいか | 庄原市立比和小学校一年 | 松野 昌幸 |
| 夏の木は約束の場所待っている | 福山市立広瀬中学校三年 | 藤森 歩美 |
| 夏祭り君は今年も一人だね | 呉市立呉高等学校一年 | 野村 純也 |
| ぬけがらや第二の命ふみ出した | 福山市立城北中学校二年 | 藤井 遥 |
| さよならと稲穂の波に消える友 | 府中市立国府小学校五年 | 掛江 航紀 |
| 波の間に憂いの揺れて海月かな | 清水ヶ丘高等学校一年 | 有田 悠 |
| 天の川空とぶ星の交さてん | 東広島市立小谷小学校三年 | 落 大喜 |
一般の部【特選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 大方は土の重さの苗木買ふ | 広島市 | 井原 淑子 |
| 【評】確かに苗木より土の方が重くて大きい。この土が大切である。言われて納得の句。目のつけどころが上手い。 | ||
| 原爆忌深さ測れぬ川の黙 | 福山市 | 肥後 弘子 |
| 【評】阿鼻叫喚を一杯呑み込んだ被爆川。その声を封印したように黙々と流れている。その黙の深さ量は測り切れない。 | ||
| 花木槿ゆつくりひらく平和かな | 山県郡安芸太田町 | 小西佐和子 |
| 【評】花木槿は、朝開き、夜には閉じる可憐な花である。平和はゆっくり、長く続いてほしいという作者の気持ち。 | ||
| 広島忌硬貨に残る昭和の字 | 広島市 | 石井三和子 |
| 【評】財布の硬貨を見た。１０枚中３枚が昭和であった。広島には造幣局がある。広島忌の取合わせが斬新である。 | ||
| 物の芽の地球の殻をつき破る | 尾道市 | 新川 政子 |
| 【評】物の芽の発芽を大袈裟に表現した。言われてみると、地球から飛び出しているように見える。諧謔の妙。 | ||
一般の部【入選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 冬立つや駄菓子のごとく薬受く | 庄原市 | 永宗 敏昭 |
| 電線は空の五線譜囀れり | 広島市 | 河村 深雪 |
| 昨日まで仰ぎて今日の花筏 | 庄原市 | 山﨑 靖子 |
| 生涯を口噤みたる海鼠かな | 尾道市 | 前中 吾一 |
| 日曜は絵本の時間小鳥くる | 広島市 | 吉岡 雅文 |
| 黒い砂素直に吐けぬ蜆かな | 広島市 | 長井みつ江 |
| 木守柿農を止むると兄ぽつり | 大竹市 | 篠崎 順子 |
| 恋い猫がお見合い席であくびする | 三次市 | 澤田 明江 |
| つゆ草の青にひととき眼を洗ふ | 三次市 | 錦 武志 |
| 綿虫の五臓六腑や峽びより | 福山市 | 大塚 文枝 |
| ほととぎす鳴きやむ闇の深さかな | 広島市 | 井上 宝護 |
| 秋彼岸風のごとくに僧の過ぎ | 庄原市 | 新宅 涼枝 |
| 戦なき瑞穂の国の今年米 | 福山市 | 黒田 光子 |
| 病室てふ極小宇宙梅雨籠り | 広島市 | 爽 いずみ |
| 夜と朝の溶け合ふあはひ月見草 | 広島市 | 村本クニ子 |
| じつと見る月の兎に会へるまで | 福山市 | 髙橋 泰子 |
| 好きですと言はず草矢を真つ直ぐに | 山県郡安芸太田町 | 堀江 広恵 |
| スカイツリーとどかぬ先の鰯雲 | 庄原市 | 稲垣サカエ |
| 何時までも続け平和の大花火 | 尾道市 | 西河 弘子 |
| かなかなに飽きし者より部屋に入る | 福山市 | 津田 和敏 |