ひろしま文化振興財団
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【実施レポート】
〜認知症サポーター養成講座〜認知症の方も職員も安心できる文化施設のススメ

●日時:2023年7月19日(水)13:30〜16:30(雨時々曇り)
    ※ 13:30〜講義、15:00〜グループワーク 途中休憩あり
●場所:広島県立総合体育館 小会議室
●講師:社会福祉法人 燈心会 特別養護老人ホーム三滝苑 施設長
    野村 妙子(臨床心理士、公認心理師、社会福祉士、介護支援専門員)
●参加者:15名 ●オブザーバー:2名

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テキスト

今回、認知症の方が施設を訪れた際の対応について学びたいとリクエストがありました。
認知症は年齢を重ねるほど発症する可能性が高まるといわれています。 高齢社会が進む中、認知症と思われる方が文化施設を訪れる機会は増えると予想されます。
また、認知症の方が訪れた際の対応を学ぶことは、芸術分野での『誰一人取り残さない』取り組みにもつながります。
そのため、広島県健康福祉局共生社会推進課(認知症サポートキャラバン)の協力を得て、認知症サポーター養成講座を開催し、認知症の方も職員も安心できる文化施設について考えるきっかけとしました。

講義のようす

講座は、まず認知症について正しく理解する講義から。
私たちは、認知症と思われる方と接するときに、「どうしたらいいのかわからない」と感じることがあります。
認知症の方は、脳の働きに不都合が生じて起こる症状によって、見たり感じたりする世界が私たちとは違ってしまい混乱するため、その症状がさらに心にも影響をもたらして、私たちが「どうしていいのかわからない」と感じる行動につながってしまいます。
認知症の「原因や特徴」、「中核症状」、「周辺症状」、「内的世界」と段階的に学びながら、認知症への理解を深めていきました。
私たちが出会う認知症の方の多くは、すべてが分からなくなるわけではなく、何となくおかしいと不安を抱えています。
認知症の方への対応の心得は、@驚かせない、A急がせない、B自尊心を傷つけない。この3つの「ない」が目指す姿の一つです。

次にグループワーク。3〜4人1組のグループで、「困っている人を見かけた場合」、「困っている認知症の方をサポートする場合」、「自分が認知症になった場合」の3つのテーマで話し合い発表しました。
どのグループも普段からお客様と接する際に心がけていることを生かした対応案で、どれも講師が感心するほどでした。
講師からは、挨拶の後に文化施設の職員であると先に自己紹介することで相手が安心することや、自分たちの職場だけで抱え込まず、地域包括支援センターといった地域の介護のプロを頼ってみてはとアドバイスがありました。

最後に、認知症当事者のメッセージ動画と、サポートを受けながらコンサートを楽しんだ認知症の方のエピソードが紹介されました。
動画で語られた「誰もが自分らしく生きられるよう、認知症とともに生きる社会をつくろう」には、文化施設もきっと含まれるはずです。
認知症になってもその人らしく暮らし、好きなことをあきらめなくても良いように支援していきたいです。

カード

■参加者の感想
・講師の説明が丁寧でわかりやすかった。
・あっという間に時間が過ぎていた。
・そもそも認知症について詳しく知らなかったので勉強になった。
・職場で今日の話を共有したい。
・困っている人にまず自己紹介するという発想はなかった。なるほどと思った。
・地域には相談できる包括支援センターがあると初めて知った。何かあったら相談したい。
・当事者の動画に胸を打たれた。認知症だからといって特別視するのではなく、困っていたらそっとサポートできるようになりたい。