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【俳句】広川良子 選
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小・中・高校生の部【特選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| 太陽に負けないほどのバラの色 | 坂町立横浜小学校五年 | 今西 咲希 |
| 【評】赤や黄色のばらが咲きあふれてきた。そのばらの色に、太陽の方が負けて見えた。すばらしいばらであろう。 | ||
| ずぶぬれのみんないっしょに水でっぽう | 東広島市立吉川小学校一年 | 島原 椿 |
| 【評】水でっぽうを打ち合って、みんなずぶぬれになった。わいわいなかよくあそんでいるたのしさ。 | ||
| 大雨があがったすきにはかまいり | 福山暁の星小学校四年 | 小林 真緒 |
| 【評】大雨が止んで、無事家族そろってお墓まいりできて安心した。今年のお盆のころはよく雨が降ったから。 | ||
| 桜ちる正門前のランドセル | 広島市立祇園小学校五年 | 田坂 拓望 |
| 【評】正門を新しいランドセルを背負って登下校の児童らを祝福するかに桜がちりかかる。花のいのちは美しい。 | ||
| 更衣たんすのにおい消えぬまま | 県立三原高等学校二年 | 田中 史織 |
| 【評】更衣した一日目。朝出かけるときに、ふと鼻をついて、たんすのにおいを敏感に受けとめた手腕。 | ||
小・中・高校生の部【入選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| じいちゃんの育てたスイカ一級品 | 福山市立広瀬中学校一年 | 宇田賀心成 |
| 夏終る未だ分からぬ二次関数 | 県立尾道北高等学校一年 | 尾﨑 大介 |
| 長雨に屋台の金魚も出番なし | 県立尾道北高等学校一年 | 井出 小雪 |
| そびえ立つ入道雲や堂々と | 県立三原高等学校一年 | 徳永誠之介 |
| 桜咲く高校生のスタートだ | 呉市立呉高等学校一年 | 近藤 琳 |
| 飛んでいるふわりふわりと秋の雲 | 広島市立祇園小学校五年 | 栗原 莉菜 |
| またきたな何回さすんだあの蚊たち | 広島市立戸山小学校五年 | 向井 大和 |
| つばめの子口をひろげてないている | 東広島市立吉川小学校二年 | 田村 莉瑚 |
| あさがおにたっぷり水をあげました | 東広島市立吉川小学校一年 | 浦田 咲蘭 |
| ねえちゃんがそつぎょうしたよなみだ雨 | 東広島市立吉川小学校二年 | 福谷 一華 |
| すずらんが雨のしずくでひかってる | 府中町立府中小学校五年 | 森脇 さと |
| 夏休みステイホームで終わったよ | 福山市立水呑小学校六年 | 村上 慶 |
| 帰り道月がわたしの案内人 | 広島市立祇園東中学校三年 | 惣田 友菜 |
| 答案のマルが五輪に見える夏 | 盈進中学校一年 | 有田 瑛 |
| 夏の海水平線が光ってる | 福山市立神辺東中学校三年 | 古田 歩樹 |
| 立ち止まる入道雲が止まらない | 福山市立新市中央中学校三年 | 村田 みか |
| 幼き子花火もつ手は頼りなき | 廿日市市立野坂中学校三年 | 小林 芽衣 |
| 純白のドレス入道雲の舞 | 盈進中学校一年 | 橘高 永輝 |
| 太陽の光をあびて光る汗 | 広島市立三和中学校三年 | 向井 実優 |
| 漆黒の空に張り付く星涼し | 三次市立甲奴中学校二年 | 増田 純理 |
一般の部【特選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 石垣を走る宝石青蜥蜴 | 廿日市市 | 今田 笹舟 |
| 【評】蜥蜴の独特の光沢と色彩を走る宝石とは、写生心と着眼点がぴったり。 | ||
| 尾道の猫も恋する寺の屋根 | 広島市 | 煙石 博 |
| 【評】尾道は寺の町、坂の町で猫も至る所で見かける。その猫が寺院の屋根とも知らず恋に走るとは俳諧味。 | ||
| 濡れ給ふ大師の像や蚯蚓鳴く | 福山市 | 岡田 富恵 |
| 【評】実際には蚯蚓は鳴かないと言われている。が雨に濡れて立つ大師像を仰いでふと、心耳でとらえた俳人の思惟。 | ||
| 自転車の籠にナイター始まりぬ | 呉市 | 筈谷 美保 |
| 【評】野球ファンの勤め帰りの姿。発想がユニークである。今夜も勝て勝てカープである。 | ||
| 野仏の笑みをくづさぬ大暑かな | 東広島市 | 寺田 記代 |
| 【評】石仏のやさしく微笑んだお顔。猛暑の中でそんな石仏を見かけると、その慈悲に心が安らぐ。道のべの清涼。 | ||
一般の部【入選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 秋草の被爆ドームの中に揺れ | 東広島市 | 奥田 積 |
| 雨降らぬことも神慮や宮涼し | 福山市 | 早間 幸枝 |
| 保育所の客は爺婆花茶会 | 福山市 | 林 万理子 |
| 孝行の息子の力溝浚へ | 福山市 | 久保 紘子 |
| おほむねは息子に委す墓掃除 | 福山市 | 朝日奈教子 |
| むらさきの風香りくる花楝 | 福山市 | 荒川 久子 |
| 棚経や過疎地の寺の青年僧 | 広島市 | 鷲見 葦月 |
| 葛の花ダム放流の水煙 | 福山市 | 貝原 玲子 |
| 鶯や日毎鳴き声上手くなる | 福山市 | 中尾 白 |
| 忘れ去る来し方もあり蝉の穴 | 尾道市 | 松井多嘉子 |
| 軽やかに追ひ綱捌く鵜匠の手 | 広島市 | 下田あつ子 |
| 秋出水見慣れし景を崩しけり | 東広島市 | 山田美佐子 |
| 子燕も受け入れたるや保育園 | 呉市 | 加藤 浩 |
| 水軍の末裔の島海苔を掻く | 広島市 | 小都 妙子 |
| 山歩き会の余類や茗荷汁 | 広島市 | 若宮 實 |
| 雨上がりたちまち蝉の庭となる | 福山市 | 内田 千年 |
| 噴水にはしゃぐ子供等原爆忌 | 三次市 | 林 章子 |
| 肩を組む案山子に赤きユニフォーム | 呉市 | 殿村 礼子 |
| 打ち水のちりちり乾く原爆忌 | 呉市 | 植田トモ子 |
| 初夢を見たやうなまた見ぬやうな | 広島市 | 井下 律子 |