けんみん文化祭ひろしま’21文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま’21文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【俳句】木村里風子 選

【俳句】木村里風子 選


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小・中・高校生の部【特選】

作品 学校名 お名前
先生とせみの声とが二重奏 比治山女子中学校一年 尾田 愛加
【評】教室まで届く蝉の声に負けないように先生の声。まるで二重奏のようだとは、先生と蝉との合唱か。
風鈴は心に響く音色かな 東広島市立向陽中学校三年 樋原 愛梨
【評】風鈴にも種類が多いが、心に響くのは南部鉄風鈴であろう。音色のよさが聞こえてくる。
この夏もお世話になりますなすの馬 県立三原高等学校二年 中之前 澪
【評】昨年もなすの馬で送り盆をした、先祖大切の心がある。
入学の気持ち高まる通学路 呉市立呉高等学校一年 田 佳鴻
【評】入学の気持というから合格して次の学校にもこの道を通るのかと思うと胸が高まる進学の道である。

小・中・高校生の部【入選】

作品 学校名 お名前
風りんがかなでる歌を聞いてみる 府中町立府中小学校五年 脇田 遼花
帰り道疲れを癒やす虫時雨 福山暁の星小学校六年 岡田 秀幸
風りんが風とおしゃべり楽しそう 広島市立祇園小学校五年 稲田さら良
学校の花だんの花がこんにちは 広島市立祇園小学校五年 吉岡 優月
おじいちゃん田うえのじゅんび種をまく 東広島市立吉川小学校二年 結城 青葉
先生の国語のじゅ業風光る 東広島市立吉川小学校五年 米田 晴香
波の音涼しい風と潮の香と 福山市立城北中学校一年 廣江 真緒
山びこや帰ってくる声違う声 呉市立両城中学校三年 久田 智也
蝉時雨やけに聞こえる無観客 盈進中学校一年 羽原 千春
祖母の庭トマトの苗が枯れはじめ 福山市立城北中学校一年 森永 咲耶
梅の雨うつらうつらと五時間目 東広島市立向陽中学校三年 小西 弘太
夏空や駆け抜けた日々道と成る 東広島市立向陽中学校三年 松本 結衣
港町揺れる不知火船渡る 県立尾道北高等学校一年 井上 蓮士
新しい色が並木を駆ける春 県立広島皆実高等学校一年 廣中  波
帰り道夕焼け雲の空の下 呉市立呉高等学校二年 麻生 朋実
終戦日未来永劫輝く日 県立尾道北高等学校一年 藤井 朝陽
梅の園においがつつむ過去の径 県立西条特別支援学校高等部二年 久保 豪士
葉っぱたち緑から赤へ衣替え 県立三原高等学校二年 道原 ゆい

一般の部【特選】

作品 地域 お名前
捕鯨砲碧き小春の海へ向く 福山市 小林 洋子
【評】捕鯨が禁止されて久しいが、一番大切な捕鯨砲の手入れは欠かせない。希望があるのは小春の海へ向くである。
短日や留守番の子に買ふケーキ 呉市 伊藤千賀子
【評】親子の絆が見えるようである。親子の絆をケーキが結んでいる。
大甕は武士の柩や朴の花 安芸郡海田町 田川  翠
【評】大甕は武士の柩、時代が想像されるのである。
紫蘇を揉む明日も働く手を染めて 福山市 榊原 素女
【評】生活に対する作者の気持が明日も働くにある。日常生活をたくましく生きる庶民の姿。
水軍の末裔の島海苔を掻く 広島市 小都 妙子
【評】水軍の末裔は島で海苔を採る。伝統の生き方であろう。

一般の部【入選】

作品 地域 お名前
死火山と呼ばれし岬冬木の芽 廿日市市 辻  惠風
鳥渡る海峡の海すれすれに 福山市 大江 文枝
泰山木被爆校舎の歪む窓 広島市 三村 奈七
秋草の被爆ドームの中に揺れ 東広島市 奥田  積
打ち水のちりちり乾く原爆忌 呉市 植田トモ子
薫風や五百羅漢に笑み零る 尾道市 村上 和子
軽やかに追ひ綱捌く鵜匠の手 広島市 下田あつ子
軍服のセピアの父や虫時雨 三次市 山本 圭子
肩を組む案山子に赤きユニフォーム 呉市 殿村 礼子
閉ざされし湖畔の茶房桐の花 広島市 宮崎 玲子
いくたびも母に呼ばれし秋の夜 福山市 小割 智恵
海水浴母手作りの塩むすび 広島市 福本  保
夕暮れの光る稲穂が波のやう 広島市 奥田 政美
ランドセルの色は夢いろ入学す 広島市 木あい子
新涼や郵便受けに旅案内 呉市 宮首美代子
濡れ給ふ大師の像や蚯蚓鳴く 福山市 岡田 富恵
雨上がりたちまち蝉の庭となる 福山市 内田 千年
藍染のハンカチ作る日の長閑 広島市 林 美恵子
コロナ禍の月見団子やマスクの子 広島市 かじもと忠司