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【俳句】広川良子 選
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小・中・高校生の部【特選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| 紫陽花が雨の絵の具で光ってる | 東広島市立吉川小学校五年 | 山﨑菜々子 |
| 【評】紫陽花のことを七変化ともいう。雨がよく似合う花。その様子を雨の絵の具でいっそう輝いている。素晴らしい。 | ||
| お点前を未熟に披露浴衣着て | 呉市立呉高等学校三年 | 稲葉 沙紀 |
| 【評】放課後のおけいこであろうか。習い始めたばかりの茶道。心をこめたつもりが緊張でぎこちない様子が伝わる。 | ||
| 高三の部活あっさり終わる夏 | 呉市立呉高等学校三年 | 濵本龍之介 |
| 【評】新型コロナウイルスのため、特に今年の高三にとっては、部活が存分に出来なかった夏。残念であったことよ。 | ||
| 体操着恐竜のような汗模様 | 福山市立城北中学校二年 | 竹内 史弥 |
| 【評】体操服に染みた汗の形を見て、恐竜模様とはゆかいな捉え方。少々の汗ではない。 | ||
| クローバー４つの言葉宿ってる | 福山市立城北中学校二年 | 山手 凜花 |
| 【評】クローバーは、三つ葉が主であるが、まれに四つ葉がある。幸せな四つ葉を探して摘む。センチメンタルな乙女心。 | ||
小・中・高校生の部【入選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| 入学式十四人の第一歩 | 東広島市立吉川小学校六年 | 原田 蒼唯 |
| 日焼け跡僕らの青春物語る | 県立三原高等学校一年 | 國則 完太 |
| 行ってみたい入道雲のツアー旅 | 県立三原高等学校二年 | 藤本 彩愛 |
| すみびやきとなりの家はさんまかな | 大竹市立小方小学校六年 | 山本幸太郎 |
| 飛行機で積乱雲を突き抜ける | 県立尾道北高等学校一年 | 柏原 史弥 |
| 陽炎が線路の上にそびえ立つ | 呉市立呉高等学校三年 | 里 夢叶 |
| 風鈴を軽く鳴らすは風のこえ | 熊野町立熊野東中学校三年 | 本田 周平 |
| 向日葵はみんなが笑顔になるお花 | 呉市立呉高等学校二年 | 上垣内梨巴 |
| 北風に負けじ負けじとペダル踏む | 呉市立呉高等学校二年 | 森木 円香 |
| はるのかぜみんなのまちへとんでいく | 大竹市立小方小学校二年 | 奥田 瞳未 |
| 梅雨打たれ今にも空が落ちてきそう | 呉工業高等専門学校二年 | 寺田 柊 |
| 朝日浴びきらきら光る目高かな | 呉工業高等専門学校一年 | 城脇 楓 |
| 蝉時雨裸足で駆ける夕の浜 | 呉工業高等専門学校一年 | 宮本 知輝 |
| 桜咲く新たな生活オンライン | 呉工業高等専門学校一年 | 齊藤 奏太 |
| 前髪が梅雨の湿気で大暴れ | 呉工業高等専門学校一年 | 本園 遥菜 |
| 青春の汗染みこんだ練習着 | 呉市立呉高等学校三年 | 田村 駿介 |
| 夏休み宿題進まず日が進む | 県立尾道北高等学校一年 | 中崎 翔太 |
| 晴天や白くそびえる雲の峰 | 県立可部高等学校三年 | 福冨 遥香 |
| 炎天下休校明けの部活動 | 県立三原高等学校一年 | 真鍋 那誓 |
| 縁側で猫もうたた寝春探し | 県立三原高等学校一年 | 河野 萌香 |
一般の部【特選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 松手入れこれで好いかと松に問ふ | 竹原市 | 久保 政子 |
| 【評】一本の松手入れを終えて仕上りを見る。「これで好し」自分で納得したが、やはり最後は、松のことは松に問う。 | ||
| 繋船に古りし護符あり鳥渡る | 廿日市市 | 平井 禮子 |
| 【評】秋風が吹き始め、漁を終え古びた漁船の護符が潮風になびく。その上空を鳥が渡っていく晩秋の漁港。 | ||
| 介護車の夫を見送り大根干す | 広島市 | 山田 雅子 |
| 【評】長寿社会の現実と宿命。夫を笑顔で見送る妻の健康で大根を干す姿には、声援を送ります。 | ||
| ながいきをさせてもろうて敬老日 | 広島市 | 奥田 政美 |
| 【評】ご長寿で敬老の日を迎えられ誠におめでとうございます。「長生きをさせてもろうて」とは謙虚で感謝の心。 | ||
| 父母の霊迎ふ灯籠夫と吊る | 福山市 | 岡田 富恵 |
| 【評】ご先祖の盆の霊迎えのため、盆提灯を明々と灯して吊るす。父母のために、夫婦で吊るしたという円満な家庭。 | ||
一般の部【入選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 船便となり朝摘みの水仙花 | 福山市 | 田村祐巳子 |
| 橋脚の残る水禍や曼珠沙華 | 廿日市市 | 辻 惠風 |
| 秋ざくら手話に早口あるらしく | 福山市 | 林 すみ |
| 薪能果て三日月に塔の影 | 福山市 | 小林 洋子 |
| ビードロの青き小鉢に冷奴 | 福山市 | 嶋山 洋子 |
| 藺の端を啣へて粽結ひにけり | 福山市 | 坂田 尚子 |
| 犬ふぐりやがて宅地となる畑 | 福山市 | 甲斐 照湖 |
| 去年までここは菜園韮の花 | 福山市 | 内田 千年 |
| 森羅万象覆ひ隠せる春の霧 | 福山市 | 毛利 秀子 |
| 歳月を積む学徒碑や蝉しぐれ | 安芸郡府中町 | 大久保信子 |
| 伴奏の被爆ピアノや原爆忌 | 福山市 | 瀬尾登喜子 |
| 杖ついて見上げる空や余花の雨 | 広島市 | 天野 泰 |
| 手招きにすんなり入る踊の輪 | 広島市 | 川手 和枝 |
| 流星を待てばオリオンのぼりけり | 福山市 | 森田 英子 |
| 揺り椅子に我をあづくる良夜かな | 広島市 | 徳毛 佳美 |
| 日の盛りマスクずらして下校の途 | 呉市 | 石田 留美 |
| 里帰りままならぬ世や星月夜 | 福山市 | 佐藤 昭代 |
| 枇杷咲くや島に一人の船大工 | 広島市 | 藤谷 知子 |
| 太陽を丸くとぢ込め芋の露 | 山県郡安芸太田町 | 淺田 洋子 |
| さくら咲く朝のひかりに二三輪 | 広島市 | 隠岐冨美恵 |