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【俳句】木村里風子 選
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小・中・高校生の部【特選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| すいかわりわろうとしたら足打つた | 大竹市立大竹小学校四年 | 中尾 丈瑠 |
| 【評】これはおもしろい、一読して笑いが出た。足を打った。すいかわりの句が多いなかの異色。 | ||
| 背泳ぎで見上げた空に赤とんぼ | 坂町立横浜小学校六 | 上野 新太 |
| 【評】背泳ぎ、プールであろうが、赤とんぼを意外な場所で見たのがよい。 | ||
| 父さんと男どうしのサングラス | 東広島市立乃美尾小学校三年 | 小島 煌大 |
| 【評】男どうし、しかもサングラスをした父に向かって背のびしている姿。 | ||
| たけのこのように私も伸びたいな | 広島市立江波中学校三年 | 椋田麻菜香 |
| 【評】願望につきる。しかも、たけのこのようにという純真さがよい。 | ||
| 茄子の馬祖母と曽孫を繋ぐ橋 | 県立三原高等学校二年 | 飯田みのり |
| 【評】盂蘭盆会、祖先の魂祭り行事のなかで茄子の馬など供える。祖先を迎え、又送るときに乗ってもらうのである。 | ||
小・中・高校生の部【入選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| 虹が出たゲリラごううがすぎた後 | 大竹市立大竹小学校六年 | 藤川 侑正 |
| ひぐらしの鳴くや部活の帰り途 | 比治山女子中学校三年 | 大地 花凜 |
| タンポポが風にのっていくどこかへと | 坂町立横浜小学校二年 | 中東 瑞稀 |
| 受験生机の上で除夜の鐘 | 広島市立江波中学校三年 | 佐藤 里菜 |
| 誕生日一人見上げる天の川 | 大竹市立玖波中学校三年 | 神田 晃輝 |
| 赤とんぼきれいなはねが光ってる | 福山市立中央中学校一年 | 田中 力 |
| 帰り道蛙声で故郷おもいだす | 呉工業高等専門学校二年 | 平石 輝斗 |
| インク落ち青に染まれば夏の空 | 呉工業高等専門学校一年 | 髙松 勇太 |
| 五月雨で葉につく雫は地上の星 | 呉工業高等専門学校一年 | 本家 康希 |
| 雨のふる電車の窓のサイダー缶 | 呉工業高等専門学校一年 | 森川 隆介 |
| 溶けかけのアイスを友とはんぶんこ | 呉工業高等専門学校一年 | 弦田日菜子 |
| 太陽がわかいひまわり呼んでいる | 呉工業高等専門学校一年 | 木舎那都美 |
| 夕焼けの空へとびたつ赤とんぼ | 県立三原高等学校一年 | 上 睦稀 |
| 教室の窓から見える赤とんぼ | 県立三原高等学校一年 | 作田 心音 |
| 夕暮れと共にあらわるトンボかな | 県立三原高等学校二年 | 藤原 光人 |
| 金魚鉢日が射し込んでかかる虹 | 呉市立呉高等学校一年 | 村上 蒼空 |
| さわ蟹と同じ道行く通学路 | 呉市立呉高等学校二年 | 福本 桃花 |
| 公園に笑顔輝くシャボン玉 | 県立三原高等学校一年 | 仁田 侑花 |
| 曇天の空の下飛ぶつばめかな | 広島市立江波中学校三年 | 原 詩哉 |
| こおろぎがいろんな音色かなでてる | 福山市立中央中学校一年 | 山岡 嗣穏 |
一般の部【特選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 稲架かけの終りし祖父の鼾かな | 広島市 | 松尾 信彦 |
| 【評】農作業の終りが近くなり、刈り取った稲を干す作業が稲架かけ、一仕事を終えた安らぎの鼾である。 | ||
| 稲の香の分水嶺を越えてより | 広島市 | 山田 雅子 |
| 【評】稲の熟れ頃の一風景、分水嶺を越えて気が付く稲の熟れた香り。峠一つで稲の育ちが違っているのである。 | ||
| つばめ来る家船の生簀乾きゐて | 広島市 | 小都 妙子 |
| 【評】家船、船で日常の漁業生活をしている。生贄の乾きも終り春の漁期になった。燕が来たのである。 | ||
| 鉄生みし古代の里の植田かな | 庄原市 | 稲垣サカエ |
| 【評】鉄生みし、砂鉄が取れる川に近い古代の里であろう。その水を引いた田の田植えである。 | ||
| 古扇より北斎の浪しぶき | 広島市 | 村本クニ子 |
| 【評】葛飾北斎の絵は波が多い。古い扇に描かれた波の絵からしぶきがした。感覚的にも涼しい。 | ||
一般の部【入選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 夫の名が記されゐたる鯉幟 | 呉市 | 西原 久子 |
| 蓮根掘「昼にするか」と黙を解く | 安芸郡府中町 | 石橋 康徳 |
| 石切りの音絶えし島秋燕 | 福山市 | 小林 洋子 |
| 一目惚れせし木犀の苗木買ふ | 広島市 | 羽城 裕子 |
| 野分前軒の雀の騒ぎけり | 庄原市 | 河戸 靖子 |
| 膝に乗せ夫の位牌を拭く小春 | 福山市 | 坂田 尚子 |
| 炎天に声なき声や爆心地 | 広島市 | 正山 史明 |
| 回天の鎮魂海の日の挽歌 | 福山市 | 杉原 芳子 |
| 読み止しの膝の戦記やつくつくし | 呉市 | 植田トモ子 |
| 長堤の錆びし蛇籠に葛の花 | 東広島市 | 伊藤 孝子 |
| バッタとぶ文字うすれたる道しるべ | 山県郡安芸太田町 | 淺田 洋子 |
| 記念碑を遺して消えし雪の村 | 福山市 | 武村 充大 |
| 川岸に残る土嚢や草の花 | 東広島市 | 山田美佐子 |
| 台風の岩噛む波のうねりかな | 福山市 | 戸原 澄清 |
| ぽつねんと稲田の中の古墳かな | 広島市 | 松田 郁子 |
| 公園の蛇口のしずく原爆忌 | 呉市 | 伊藤千賀子 |
| 噴水の真白き水を青空に | 福山市 | 嶋山 洋子 |
| 海軍の名残の船渠秋高し | 呉市 | 殿村 礼子 |
| 声大き母の電話や梅雨寒し | 広島市 | 嶋治久美子 |
| 制服の踏み出す一歩新松子 | 広島市 | 天野 泰 |