先輩と呼ばれているのが自分だと気づかず無視した先輩初日
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福山市立福山中学校二年
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大本 琴子
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【評】二年生に進級したばかりの作者の部活の様子であり、人柄が伝わってくる。結句の「先輩初日」が効果的である。
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たんざくが人の願いを身にまとい夏の夜空を風とただよう
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広島市立伴中学校二年
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河本 梨楓
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【評】七夕の短冊を巧みに表現しており、心地よい風の吹く夏の夜の星空の浮かんでくる良い歌である。
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浴衣着て慣れぬ下駄履き付いて来る君の歩幅に合わせて歩く
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県立尾道北高等学校一年
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津島 紗南
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【評】微笑ましい青春の一ページを見る思いのする一首である。下句にやさしい気持があふれている。
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茶華道部抹茶のかおりに花のかおり部室はいつも日本のかおり
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府中町立府中中学校二年
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宮西 咲幸
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【評】茶華道部の部室を「かおり」のリフレインで上手にまとめており、結句の「日本のかおり」がよく効いている。
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実家から毎週届く夏野菜まがったキュウリに祖父母を想う
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県立三原高等学校二年
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浜田 颯介
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【評】まがったキュウリの具体が生きている。年老いて腰が曲がりかげんの祖父母の姿が浮かんでくる。
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