けんみん文化祭ひろしま'17文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま'17文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【俳句】竹下陶子 選

【俳句】竹下陶子 選


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小・中・高校生の部【特選】

作品 学校名 お名前
こどもの日かぶとかざっていわおうよ 坂町立横浜小学校五年 海田 真義
【評】最近はよろいとかかぶとをお祝いにすることが多い。そのかぶとをかざって祝おうとする心がとても素直でよい。
蝉時雨原爆ドームに降りそそぐ 福山市立中央中学校二年 池田 まい
【評】世界遺産の原爆ドームに、あたりの蝉時雨が降りそそいでいる光景を写生したことに詩がある。
エメラルド色に輝くセミの羽化 比治山女子中学校一年 大地 花凜
【評】たまたま蝉の羽化を見つけた作者の感動が伝わってくる。殻をぬいだ蝉はエメラルド色をしていたのである。
蝉の声暑さの波がおしよせる 英数学館中学校三年 千本恵里奈
【評】蝉の声は、夏を象徴している。時には耳をふさぐ程である。その様子を「暑さの波」と表現した心は立派である。
きくの花ご先ぞさまにプレゼント 東広島市立乃美尾小学校三年 吉本 真菜
【評】美しい香りのよい菊の花を、ご先祖さまのまつってある仏壇に供えたのであろう。「プレゼント」とは子供らしい。

小・中・高校生の部【入選】

作品 学校名 お名前
大みそか弟生まれうれしなき 大竹市立玖波小学校三年 大和 りの
妹の小さな手からバッタとぶ 大竹市立大竹小学校六年 津藤日凪生
あさがおはどうしてあさしかさかないの 東広島市立乃美尾小学校一年 中村 悠輝
うちわだけぼくの手からはなれない 東広島市立乃美尾小学校六年 細川 竣也
草笛をふくとやまびこくりかえす 神石高原町立豊松小学校六年 藤井 美咲
入道雲黄色にそまるヒマワリで 竹原市立竹原西小学校三年 寄能 佳苗
夏休み近所の人とふれ合おう 竹原市立竹原西小学校六年 辛島  澪
鳥とまりゆらりかたむくかかしかな 福山暁の星小学校六年 松本 奈桜
バラのよう心も顔も赤くなる 三次市立十日市中学校三年 児玉 麻那
水面を華麗にすべるあめんぼう 福山市立中央中学校三年 佐藤名一樹
墓参りおばあちゃんに会いにいく 福山市立中央中学校二年 尾野愛珠紗
夕焼けのオレンジ色の赤とんぼ 福山市立中央中学校一年 橋美羽音
ほたるいか海にさまよう青き光 福山市立中央中学校一年 秀平 七海
あさがおのつるが宙にて助け合い 山陽女学園中等部三年 橋ももか
盆提灯集う家族のぬくもりか 広島大学附属三原中学校一年 大内由紀子
飛んでいく入道雲へ紙飛行機 福山市立城南中学校一年 猪原 一紗
夕焼けの空に散らばる蜻蛉トンボかな 府中町立府中中学校三年 猪野 寛太
虹の橋空を残して消えてゆく 府中町立府中中学校三年 住井 翔馬
ひまわりの黄色い海に飲みこまれ 比治山女子高等学校一年 上中 美佳
日傘さし大人の気分に少しなる 東広島市立乃美尾小学校六年 緒方 誠士

一般の部【特選】

作品 地域 お名前
路面電車停めて黙祷原爆忌 福山市 山口つねみ
【評】八月六日八時十五分一発の原子爆弾で広島市は壊滅した。その時間に路面電車は附近の停留所で停車して黙祷する。
語部のノート分厚き原爆忌 呉市 宮首美代子
【評】原爆の語り部の方々も歳老いて来られた。その方の部厚いノートにさまざまな事柄が書いてある。原爆忌である。
玉音に泣きたる老いや代を掻く 福山市 住田 保夫
【評】聖戦と言われた戦に負けてしまった。天皇陛下の敗戦の玉音放送に泣いた先人が今元気で代を掻いて居る、心境は。
新涼や百才体操老はげむ 福山市 槙岡 弘恵
【評】老人会や公民館などで行われる、百才体操であろう。元気な老人たちがその体操にはげんでゐる。新涼の頃である。
爽やかや組体操のピラミッド 広島市 三宅安偉子
【評】運動会で組全員でピラミッドを作り上げて大喝采の拍手を浴びている様子は立派で、よく訓練され、爽やかである。

一般の部【入選】

作品 地域 お名前
夫植ゑし枇杷の初なり佛壇に 呉市 沓木 孝子
梅雨の葬呵呵大笑の遺影かな 尾道市 井上 千秀
花蜜柑夜の帳に香を放つ 尾道市 浜本真知子
初孫を交代で抱く雛の前 尾道市 村上 郁子
着物売る母の思ひ出終戦日 福山市 久保 紘子
宿題には触れず日焼けを褒めにけり 庄原市 山ア 靖子
星飛べり友の回復ひたすらに 広島市 徳毛 佳美
いつの間に子持ちの猫となつてゐし 広島市 森本 弘子
特攻死免れ卒寿終戦日 福山市  杉原 芳子
折鶴の祈り億万原爆忌 福山市 内田 千年
風紋は風の匠や鰯雲 三次市 錦  武志
川底に今なほ瓦礫原爆忌 福山市 佐藤 浩子
リハビリの庭をいろどる秋桜 広島市 M  敦子
八十を生きて諷詠月の秋 福山市 箱田富久恵
風鈴を下宿に吊れと子に持たす 三次市 渡里トモ枝
御座船のぐらりと揺れて神輿乗る 廿日市市 齋藤 金二
独り居の父へたうきび茹でて置く 広島市 折田 英男
薪能待つ能舞台ぬらす雨 福山市 来山 静子
子供らの覚えの早し盆踊り 呉市 山口 陽子
夏痩せて子規の健啖羨けんたんともしかり 呉市 香川川也子