けんみん文化祭ひろしま’16文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま’16文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】増田マスヱ 選

【川柳】題「動く」 増田マスヱ 選


※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。

【特選】

作品 地域 お名前
これからはゆっくり動く時計買う 広島市 正山 史明
【評】長寿国に住みながら、人間の欲も、頂点に達したようだ。
沈黙の空気が動く咳払い 三原市 橋 博郁
【評】重たい空気が、どのくらい流れたことか。誰しも望む、咳払い。
動かすとカタンと軋む父の貨車 三原市 野村 賢悟
【評】戦前・戦中・戦後を生き延びた父が、歳相応で一安心。
世の動き少し遅れてついて行く 呉市 勢川 洋子
【評】なにごとも一番を嫌い、二番が好きと巷では、聞くが・・・。
今日は過去明日へと動く米を研ぐ 竹原市 菅  弘子
【評】惰性で米を研いだ日々を悔やむ。あしたへと動くには。脱帽。

【入選】

作品 地域 お名前
生前退位動き始めた深い森 呉市 宍戸三喜恵
動揺を悟られまいと天仰ぐ 大竹市 堀  靖子
だんご虫コロリ私は平和主義 尾道市 大本 和子
動かした瞳の奥にある本音 広島市 斉藤千恵美
当選のダルマに動く眼を入れる 広島市 宍戸 元信
定位置を動かぬ父の堅い椅子 福山市 田辺与志魚
日本丸上下左右へよく揺れる 山県郡北広島町 堀内 けん
人望が人を動かすテコとなる 福山市 村田 幸夫
ときめいて動きはじめた錆びた脳 広島市 中島 洋子
目には目を争い絶えぬ世の動き 廿日市市 妹尾 志泉
ヒロシマを束ねた魂が動く 三原市 笹重 耕三
断層が動けば日常が狂う 広島市 福田 淳子
ブランコの後ろで明日が揺れている 広島市 大杉 卓雄
動かねば昭和の知恵が消えてゆく 東広島市 高橋 鬼焼
核のない世界へ動くヒロシマ忌 尾道市 日谷  寛
ゆっくりと月日を刻むふたり旅 広島市 若山 宗彦
てきぱきと動き職場の華になる 広島市 持永 光子
動くこと厭わぬ夫と五十年 尾道市 山崎 尚美
もつれ糸ほどけば時が動き出す 広島市 森崎八重子
指先で世界の動きつかまえる 呉市 西岡 信彦