けんみん文化祭ひろしま’16文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま’16文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】弘兼秀子 選

【川柳】自由吟 弘兼秀子 選


※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。

【特選】

作品 地域 お名前
妥協したあとは空しい渦が巻く 広島市 山本 博とし
【評】不本意ながら筋を曲げることで、表面上は無事解決したようである。しかしこの空しさを何としよう。
歳月の重み紙一枚で消え 広島市 川上 咲良
【評】戸籍係へ出した一枚の書類。涙と共に押した印。当たり前であった日常が消えてしまった。胸に迫り来る句だ。
照り降りの加減を知らぬ雲の罪 尾道市 大本 和子
【評】作物にも人間にも適度の雨は、自然の営みの中で生きる力となる。このごろの雨はどうなってしまったのか。
物差しの違いを見つけ和解する 広島市 望月ミチエ
【評】どこまでも考えが交わらず難しい関係となっている。尺度の違いに気付いた時、歩み寄ることが出来た。
雑魚だけど信じてやまぬ明日がある 広島市 森崎八重子
【評】前向きな希望のある句となった。まだ小さな魚だが、大きな夢を持っている。努力する者に明日は輝く。

【入選】

作品 地域 お名前
マニュアルは要らぬわたしは自分流 三次市 佐藤 昌樹
感動が背筋を走る生きている 広島市 河崎 和子
まだ後期一花咲かす活火山 広島市 若山 宗彦
夕暮に今日は泣かずにいたと知る 広島市 豊田 芳香
呑みこんでわたしの味にして話す 広島市 藤井 幸子
遠き日へ途中下車する縄電車 広島市 中島 洋子
逃げのびてラストシーンの中にいる 福山市 田辺与志魚
ガン告知雲と話がしたくなる 三原市 野村 賢悟
中傷が刻むわたしの自尊心 広島市 高東八千代
噂にも心がおれるのが弱者 広島市 河浦 邦子
難しいことは言わない花の種 廿日市市 飛田 陽子
未知数の夢がふくらむ子の翼 尾道市 村上 和子
神ってる土壇場いつも救いの手 竹原市 富田 汎美
待ちわびた雨うまそうに飲む大地 広島市 羽城 裕子
キャット語の通訳ほしいいやし猫 三原市 弓取 澄子
ノックする勇気が欲しいドアの前 東広島市 大木 雅彦
目くじらを立てずニュースも聞き流す 呉市 西岡 信彦
敵わない熟した妻の口達者 広島市 岡田 郁枝
十八になれば大人にみえるかな 県立大竹高等学校三年 渡辺亜莉沙
現実と夢をさまよう授業中 県立大竹高等学校三年 佐々木彩夏