ばあちゃんが汗かき水やり実らせたはちきれそうな茄子の紫
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清水ヶ丘高等学校一年
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古本みのる
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【評】何よりもリズムがよい。ばあちゃんの働きによって実った茄子から、努力すれば結果が出ることを言外に伝える。
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カタカナで伝え続けるこの先もヒロシマナガサキフクシマの夏
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盈進中学校二年
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宮本 怜菜
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【評】被爆七十年目の広島と長崎、加えて福島の原発被曝、カタカナで伝え続けたいとする表現に強い意志を感じた。
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えんがわでするりと風がほおをなで側の麦茶の氷がカラリ
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庄原市立庄原中学校三年
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岡本 睦
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【評】風のなせる技が麦茶の氷に及んだ理由を伏せた点が手柄。よって即物的で知的な一首となった力量を評価したい。
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クロールの折り返すとき地球ごとわたしを軸にぐるんと回る
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県立広島高等学校三年
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青山ゆりえ
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【評】泳ぎの経験から発した一首で三句以下の表現がユニーク、地球ごと回る作者の強靭な軸に読者を巻き込む力あり。
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【評】三句から四句への擬人化的表現にやさしい母性のような瀬戸内海をイメージさせる秀作、言葉の構成もうまい。
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