けんみん文化祭ひろしま’15文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま’15文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】角本華峰 選

【川柳】自由吟 角本華峰 選


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【特選】

作品 地域 お名前
会者定離繰り返されていく挽歌 三原市 鴨田 昭紀
【評】生者必減、この世で会うた者は必ず別れるという。作品の持つ無情感、人生諦観の境地に心揺さ振られた重厚な作品。
この命明日に繋げる沙羅双樹 廿日市市 梶川  藍
【評】抹香くささを匂わせない、それでいて信仰心の篤さを謙虚に感じさせる詩情の豊かさに魅せられた。合掌。
意欲まだ燃やして明日へ生きる葦 尾道市 大本 和子
【評】人間は考える葦である。意欲を燃やし続ければ神は応えてくれる。句の放つ逞しさ、前向きな作句姿勢に感服。
真っ当に生きて愛して悔いはない 広島市 松本壽賀子
【評】向けられた愛は万物にであろう。正道を踏み外すことなく生きた人生を、見事な晩景に詠い上げている。脱帽。

【入選】

作品 地域 お名前
生かされて刹那刹那を渡る橋 竹原市 菅  弘子
命が泣く命が笑う生きている 広島市 楠山東石子
積む齢だんだん重くなるひと日 広島市 小松 好子
愛も哀も含めて自転する地球 呉市 荒新 悠子
湧水に命漲る子を宿す 竹原市 若年 幸子
泣いて笑って人生の駅通りやせ 三原市 大森 昭恵
荒野来て皺の数ほど味深い 広島市 梶本 忠司
人間のわがまま諭し彼岸花 山県郡北広島町 堀内 けん
水ごくり六根清浄喉仏 竹原市 石原 淑子
北窓へ風のドラマが干してある 東広島市 高橋 鬼焼
携帯を持たない暮らし風薫る 尾道市 山崎 尚美
坂道の長さへ嘘がうまくなる 広島市 篠崎こまよ
どくだみの花の白さに裏切れぬ 東広島市 渡辺 典子
もつれ糸戻して午後の雨上がる 庄原市 安藤 幸江
次々と友逝きませりわが齢 広島市 能勢 幸子
白髪も秋の夜ながに韻を生み 府中市 甲斐 斐夫
ねころんで蛍光燈の長い紐 広島市 砂田 健伸
句読点打つて空気を入れ替える 三次市 佐藤 昌樹
まな板に朝を刻んで主婦の幸 福山市 中井 慶子
いつまでも言われ続ける負けいくさ 東広島市 土井欣司郎