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【俳句】竹下陶子 選
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小・中・高校生の部【特選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| たけのこを卑弥呼の時代も食べたかな | 尾道市立吉和小学校六年 | 馬越 悠太 |
| 【評】たけのこは数万年以前から出ていると思われる。卑弥呼もきっと食べたであろうと思う懐古の心。 | ||
| 先生にみんなでみずかけ海びらき | 福山市立内浦小学校四年 | 上野菜奈子 |
| 【評】海水浴のほほえましい様子。生徒が担任の先生をかこんで海の水をかけている。 | ||
| 雨もようひこぼしおりひめあえるかな | 東広島市立小谷小学校三年 | 福田 芽生 |
| 【評】年に一度しか会えない七夕の彦星と織姫にことしの七夕の夜は雨もようになって来て天の川も見えない。 | ||
| 夕立で昼の熱気がむせかえる | 県立尾道北高等学校一年 | 神田 佳航 |
| 【評】一日中炎天で町中のすべてが灼けていたが、夕立が降って来たが、昼の熱気でむせかえるようだ。 | ||
| 青すだれそこから差し込む西日かな | 呉市立呉高等学校一年 | 川下颯一朗 |
| 【評】夏分障子や襖などを取り外してすだれを吊る。丁度西日が差しこんで来たのである。その光景を正しく写生している。 | ||
小・中・高校生の部【入選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| みつばちがつかれをしらずみつさがし | 廿日市市立宮園小学校三年 | 大江 佑羽 |
| 親ツバメ子どものためにたたかうの | 廿日市市立宮園小学校三年 | 大中 美礼 |
| アメンボもプールに入って泳いでる | 廿日市市立宮園小学校五年 | 茂呂 香凜 |
| かたつむりよいしょよいしょと木を上る | 東広島市立西志和小学校三年 | 中村 修斗 |
| ひまわりが空に向って話してる | 東広島市立西志和小学校四年 | 野村 あい |
| 衣がえ体も心も入れかえる | 東広島市立西志和小学校五年 | 川村 優太 |
| ラムネのむクーッとしぜんにこえが出る | 神石高原町立豊松小学校二年 | 芳賀 大馳 |
| 朝顔に話しかけてるかたつむり | 尾道市立吉和小学校四年 | ふじ本ゆ月 |
| あじさいの花からひょこりとかたつむり | 三次市立作木小学校六年 | 谷岡 凜 |
| ゆきだるまにんじん一本くわえてる | 庄原市立口南小学校二年 | 積山 隼斗 |
| ひまわりのような笑顔の子供かな | 三次市立三次中学校三年 | 宍戸 弘輝 |
| 今日だけは花火の脇役大鳥居 | 広島大学附属三原中学校一年 | 田中 沙英 |
| 雲の峰この坂上れば届きそう | 呉市立仁方中学校三年 | 梶本 智夏 |
| ミンミンと蝉がわがままいいだした | 県立尾道北高等学校一年 | 前原 恵里 |
| 真夏の夜眠り妨ぐ蚊の舞曲 | 並木学院福山高等学校二年 | 空河内 謙 |
| 懐かしき祖父との思い出夏祭 | 呉市立呉高等学校一年 | 善 翔太 |
| すきま風机の上の紙とばす | 呉市立呉高等学校一年 | 津田 愛梨 |
一般の部【特選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 見納めの生家につどふ盆の月 | 福山市 | 佐藤 浩子 |
| 【評】作者の生れ育った家が何かの理由で売却か、解体する事になり盆休みに関係者が集り遺品を分け合い懐かしむ心。 | ||
| 好きですと言はず草矢を真つ直ぐに | 山県郡安芸太田町 | 堀江 広恵 |
| 【評】恋心をはっきり言えない心を、対手の恋人に草矢で真すぐに打ついじらしい心。 | ||
| 新茶淹れ山河の色の生れにけり | 尾道市 | 松井多嘉子 |
| 【評】新茶は五月の季題で香りも色も初夏の心が広がる。その気持を「山河の色の生れる」と言った心が素晴らしい。 | ||
| 終戦日征つて来ますと逝つた人 | 福山市 | 貝原 玲子 |
| 【評】征戦と言われ出征は家の誇りであった太平洋戦争で、「征って来ますと」戦場にて戦死された人に心からの感謝。 | ||
| 送り盆茄子の牛にて帰らるる | 尾道市 | 浜本真知子 |
| 【評】盆の仏壇に家の諸霊を迎えて回向し、盆が終ればあの世へ御見送りする。仏壇に用意してある茄子の牛にて帰られる。 | ||
一般の部【入選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 一幕の終りしごとく鵜舟過ぐ | 福山市 | 田村祐巳子 |
| 二十余年漢にまじり溝浚へ | 尾道市 | 井上 千秀 |
| 恋い猫がお見合い席であくびする | 三次市 | 澤田 明江 |
| 子等駆けてかけて菜の花色となる | 福山市 | 久保 紘子 |
| 崩落の山を掠めて鳥帰る | 広島市 | 池田 萩邨 |
| 七十年この地に生きて広島忌 | 広島市 | 井上 洋子 |
| リラ冷の阿寒の宿を立ちにけり | 世羅郡世羅町 | 児玉 安雄 |
| ひまはりの迷路で子等はかくれんぼ | 尾道市 | 村上 和子 |
| あの日より動かぬ時計原爆忌 | 福山市 | 小林 加悦 |
| 青栗や学徒兵士の兄の墓 | 安芸高田市 | 井上マス子 |
| 黙祷の万の背中や蝉しぐれ | 東広島市 | 山田美佐子 |
| 語り継ぐ沖縄戦や終戦日 | 三原市 | 成末知歌子 |
| 語り部もめつきり減りし原爆忌 | 広島市 | 中村カヨ子 |
| 枕辺に虫の声きく母の里 | 広島市 | 森野智恵子 |
| 水神を祀る棚田に稲を刈る | 三次市 | 林 敏明 |
| 万緑や村に新たな治水ダム | 広島市 | 藤谷 知子 |
| 代官所跡の石垣葛垂るる | 福山市 | 森田 英子 |
| 大花火煙流れて月を消す | 福山市 | 内海 時子 |
| 物の芽に分け隔てなき日射しかな | 福山市 | 藤後 卓也 |
| 原爆忌独り居の母蚊やり焚く | 広島市 | 永井 篤子 |