月のぼり月はしづみぬ億年の「神の粒子」の論のはたてに
|
広島市
|
三浦 恭子
|
【評】宇宙のもとになる元素に科学者の論議が沸き立つ中でも月の営みは変わらない。理にならず詩的な表現で巧み。
|
【評】「書き知らす」で身近に援助者がおらず孤軍奮闘されている様子を想像。.桜満開の切手が上句の辛さを際立てる。
|
かたくなに木造家屋にこだわりて一一〇軒を建てて夫逝く
|
広島市
|
中川多鶴子
|
【評】】「かたくなに・・・」と述べつつも全体を通して夫君への尊敬の念が感じられ、「一一〇軒」の具体もよく効いている。
|
未来図は種一粒の中にありみちのくの地に芽吹くものたち
|
広島市
|
岩本 幸久
|
【評】未来図は種一粒の中にある、作者の思いが良い。小さなものを芽吹かせて未来に繋げたい作者の意志を感じた。
|
一輪車の少年秋の風まとい両手にリズムとりて駆け来る
|
大竹市
|
赤瀬 勝昭
|
【評】「秋の風まとい」「両手にリズム」に少年の颯爽と楽し気な様子が上手に活写されていて気持ちの良い作品。
|