けんみん文化祭ひろしま’12文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま’12文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】増田マスヱ 選

【川柳】自由吟 増田マスヱ 選


※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。

【特選】

作品 地域 お名前
男坂洗いざらしの風に逢う 尾道市 砂田 千春
【評】新しい風には、なぜか馴染めない。洗いざらしの風なら、歳のせいかぴったりだ。定年後の僕は、変わったな。
足跡の深さに父と母の影 呉市 荒新 悠子
【評】父ははの歩んだ道をひたすら進む。迷わぬようにと残された地図を辿る。愛情の深さがにじみ出る。
すりきれた辞書に答えがつめてある 東広島市 高橋 鬼焼
【評】一日が辞書から始まり、一日が辞書から終わる第二章。どのページを開いても、にっこりと笑ってくれる。
かごめかごめ輪の真ん中にいる孤独 広島市 宍戸 元信
【評】苦境の昭和史にも、花を添える少女時代の一コマがあった。夕焼けに染まるおかっぱの頬っぺが、光ってた。
季節ごと違ったにおいの雨が降る 広島市 熊谷  純
【評】トタン屋根を叩くような大粒よりも、むらさきに煙る雨がいい。其の上、四季折々の匂いなんて、幸せ。

【入選】

作品 地域 お名前
幸せが少し感度を鈍らせる 安芸郡府中町 山本 恵子
思い出にひたると浮かぶ古時計 広島市 平岡 勝人
ひたむきな花に拍手は惜しまない 江田島市 問可 圧子
体重計指輪はずしてそっと乗る 呉市 室 伊和江
太鼓判押されて逆に増す不安 広島市 山本 博とし
向日葵とひと夏だけの背くらべ 福山市 竹内 照美
時々は離れてほしい影法師 広島市 松本壽賀子
晩鐘の余韻のなかに手を合わす 東広島市 上加 正行
一会かも知れぬ素的な風といる 三次市 錦  佳秋
昼寝して補充してます空元気 広島市 高東八千代
少年の目を取り戻す好奇心 広島市 大杉 卓雄
振り向けば曲りくねった古稀の坂 東広島市 筒口 武継
御破算でお願いしたい四コマ目 広島市 福田 淳子
暑くても空は秋なり鰯雲 広島市 吉川 徳子
夢一輪余生を照らす道しるべ 広島市 大杉 幸子
生き抜いてたった一つの夢を追う 竹原市 正畑 半覚
僕ら今青春の中走ってる 県立尾道北高等学校一年 池田 百花
節電だエアコンよりも扇風機 県立尾道北高等学校一年 有広 大成
夏休み補習と共に過ぎていく 県立尾道北高等学校一年 青木 怜子