けんみん文化祭ひろしま’11文芸祭合同大会
トップページ 事業概要 けんみん文化祭ひろしま'11 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】小島蘭幸 選

【川柳】題「夜」 小島蘭幸 選


※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。

【特選】

作品 地域 お名前
大花火慰霊の海を染めて散る 広島市 沖野おさむ
【評】3・11東日本大震災を私達は忘れてはならない。ドドーンドドーン鎮魂の大花火が真っ赤に海を染めている。
陣痛へ夜明けの潮が満ちてくる 広島市 浅原多喜子
【評】私も初めての子が産まれる時、何度も潮を見に行った記憶がある。勢いよく満ちてくる夜明けの潮、元気な産声だ。
懐かしい昭和並べている夜店 尾道市 村上 和子
【評】どことなくほっとさせられる作品である。夜店の灯は、父と一緒に行ったあの日とちっとも変わらないままである。
夜の闇を照らしてくれたボクの書架 広島市 浅原志ん洋
【評】落ち込んたボクをポッと慰めてくれた一冊の本、書架には青春の思い出がギッシリと詰まっているのだ。懐かしい。
しみじみと父の昭和を聞く夜釣 竹原市 田中 敬子
【評】仄かな明かりの中で釣竿の先を見つめる父子の姿は美しい。ぼそぼそと話しはじめた父に相槌を打つ姿も美しい。

【入選】

作品 地域 お名前
節電で夜が戻ってきた都会 広島市 福田 淳子
ジャンプする力を夜に蓄える 府中市 藤岡ヒデコ
電飾の街を歩いている孤独 広島市 吉川 徳子
光あれ!地球の夜は万華鏡 三原市 津島 敏子
魂の雄叫びを聴く秋夜長 竹原市 石原 淑子
観光かエコか夜景がせめぎ合う 廿日市市 奥村 吉風
いい風が入る今夜はエコにする 三原市 金原ミス子
明日への境あたりでまだ迷い 安芸郡府中町 山本 恵子
夜話の父祖伝来の国訛り 尾道市 日谷 薫香
晩学の五感揺さぶる夜の月 廿日市市 飛田 陽子
就活は一夜づけほど甘くない 広島市 平本 恵美
午前二時時計が僕を責めに来る 東広島市 渡辺 典子
日の本の岩戸の鍵は朽ちたまま 竹原市 河崎あゆみ
悲しみを夜の深さが抱きしめる 広島市 楠山東石子
熱戦がナイターになる甲子園 尾道高等学校二年 吉岡 直輝
悔のない人生なのに寝付けない 尾道市 笠井奈那美
夜が明けるまで議論した若かった 呉市 西岡 信彦
元気です夜が楽しい老い二人 廿日市市 井上 利雄
天の川夏の夜空のアートなり 尾道高等学校二年 川口 克拓
携帯の灯りで探す鍵の穴 尾道高等学校二年 小寺 純平