トップページ
>
事業概要
>
けんみん文化祭ひろしま'11
>
文芸祭 入賞・入選作品発表
>
【俳句】木村里風子 選
【俳句】木村里風子 選
※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。
小・中・高校生の部【特選】
作品
学校名
お名前
かぶと虫自まんのつので一本勝ち
府中町立府中中央小学校四年
小栗 大知
【評】兜虫のけんか、大人でも興味があるが子供の世界では強いのが自慢。一本勝ちとはうしろへ跳ねとばした。
祖父の骨一つ拾ってセミの声
府中市立国府小学校四年
大川 汐里
【評】祖父が亡くなった。火葬の祖父の骨を拾うとき、セミが鳴いた。涙をこらえているのに、セミの奴。
雪国の狐や誰とかくれんぼ
広島市立己斐中学校三年
加藤光一郎
【評】メルヘンの世界か、雪国の狐の孤独感がある。
出漁の汽笛あじさい空に映え
福山市立走島中学校二年
三阪ちなつ
【評】天気のよい朝の出漁のようだ。汽笛が鳴る、見送る近くにあじさいの花が咲く、青い花と青い空。そして出港。
放課後の教室照らす西日かな
並木学院福山高等学校三年
喜多村裕樹
【評】放課後のがらんとした教室に射しこむ西日、暑かった一日が終る。無人の教室が虚しい。
小・中・高校生の部【入選】
作品
学校名
お名前
花火はねいろんな種類があるんだよ
広島市立中筋小学校五年
福本 みゆ
夏の日や体が脱皮しています
尾道市立吉和小学校六年
大迫 姫子
オニヤンマ遠くへとんでどことまる
東広島市立板城小学校三年
米矢 拓海
あめんぼがプールでおよぐかわいいな
府中町立府中中央小学校二年
満居 純大
せみの声目覚ましがわり目が覚める
府中町立府中中央小学校三年
川田 未実
花火はね夏の夜空のほう石だ
東広島市立乃美尾小学校三年
幡出 うた
秋の山まわりは落ち葉のカーペット
広島市立可部小学校六年
平尾京太郎
せみの声古代の人も聞いたかな
東広島市立平岩小学校六年
鎌塚健太郎
キツツキが木をトンと打ち秋の音
廿日市市立阿品台東小学校三年
岩田健太郎
砂浜にきれいな貝が落ちている
江田島市立江田島小学校六年
平口 優真
かたつむりあるいたあとはぬれている
東広島市立竹仁小学校二年
山野 七美
セミの声宿題まだかとせきたてる
呉市立阿賀中学校一年
橋本かおり
太陽と僕が輝く夏休み
福山市立駅家中学校一年
千葉 大慈
青空へ指先登るてんとう虫
県立大和高等学校三年
松浦 健人
原爆の記憶忘れぬ日が来たる
並木学院福山高等学校三年
森 良平
そうめんを家族みんなですする音
並木学院福山高等学校一年
菅原 巳嵯
進んでも振り返っても夏の果
県立海田高等学校三年
黒岩 千聖
コップの中氷が鳴らす夏の音
県立海田高等学校三年
岩野 春花
髪切って本気の夏にそなえけり
県立海田高等学校三年
沖本 美紀
送り火の煙を辿り母は行く
県立廿日市高等学校三年
宮本 大海
一般の部【特選】
作品
地域
お名前
収容所跡に俘虜の名鳥帰る
安芸郡府中町
石橋 康徳
【評】収容所の跡に碑が建っている望郷の念虚しく没された兵であろう。年々歳々の鳥の渡りがあるが。
廃校が山の湯宿や谿うつぎ
広島市
坂本 明美
【評】山の分校か、廃校された校舎が湯宿になった。簡易な宿が又よいのである。これも村おこし。
熔接光青む船渠や油照り
広島市
森本 弘子
【評】炎天下の船渠で船を作っている。鉄を継ぐ熔接の火花が青いのは火力が強い。火力と油照り、作業員の暑さ。
こんなにも梅漬けて母逝きにけり
三次市
渡里トモ枝
【評】母の没後、いろいろと整理をしていると梅漬の瓶が出て来た。こんなにも多く漬けていた母を思い呟く。
地芝居や首塗りし刷毛反り返る
東広島市
寺田 記代
【評】地元の芝居小屋の壁に刷毛が掛けてあって反っている。真っ白く首塗りをした俄か役者が蘇る。
一般の部【入選】
作品
地域
お名前
病床の妻の髪梳き女正月
広島市
三澤 豊
秋雨や亡き父母の農日記
広島市
池田 功
卵抱く鶏にこぼれて柿の花
広島市
亀井 朝子
荒れ始む炭焼小屋や姫女苑
東広島市
高橋 利幸
菊挿すや言葉短き夫とゐて
東広島市
清岡 早苗
甚平やたよりにされて何もせず
福山市
大塚 文枝
擂粉木は父の手作り木の芽和え
広島市
藤田久仁子
烏賊釣や日没近き防波堤
広島市
深田もみ路
蛇の衣塀に掛かりし庄屋跡
尾道市
久原 和子
岩牢の扉の廃れ苔の花
安芸高田市
沖田喜美子
手話めきし母との話草の花
福山市
林 すみ
湧水の砂の跳るや川蜻蛉
福山市
小林 聖二
枕木に錆びしレールに赤蜻蛉
安芸高田市
植本 邦子
独り居に馬鈴薯の芽は青く伸ぶ
広島市
野島 桂子
蓑虫の隣にみくじ結びけり
広島市
天野 泰
物忘れ日毎にふゆる秋暑かな
尾道市
村上 和子
捨て臼に南天の花腐ちけり
広島市
嶋治久美子
牛市の跡の広野や秋茜
東広島市
山田美佐子
母のこと記憶になくて墓洗ふ
福山市
小林 勝子
船笛の長きや蜜柑山晴るる
広島市
藤谷 知子
このページの先頭へ