けんみん文化祭ひろしま’10文芸祭合同大会
トップページ 事業概要 けんみん文化祭ひろしま'10 文芸祭 入賞・入選作品発表 【俳句】竹下陶子 選

【俳句】竹下陶子 選


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小・中・高校生の部【特選】

作品 学校名 お名前
川にあるイルミネーション蛍の群れ 庄原市立高野中学校三年 石田 優生
【評】川のくらやみに描く蛍の乱舞を、イルミネーションと感じたことで傑作がうまれました。心の美しい人ですね。
花火師は空に絵を描くアーティスト 福山市立東中学校一年 小川真菜美
【評】大空を光りと色の芸術にしてくれる花火師の苦心の技術は、空を彩るアーチストかも知れませんね。
ひまわりも水を浴びたい暑さかな 広島なぎさ中学校一年 高石 英佳
【評】夏の最高気温が38度でした。ひまわりも水を浴びたい程暑いに違いない。やさしい心の持ち主ですね。
入道雲空の画用紙落書き中 尾道市立吉和小学校四年 掛田 実里
【評】青空という大空間を画用紙にして入道雲をいくつも描いているのは誰だろう。私もやってみたいな。大きな夢。
青空に白いドラゴン入道雲 竹原市立荘野小学校六年 加島 光輝
【評】大空に立ち昇る巨大な入道雲は、白竜のようだ。ドラゴンのイメージそのままが読む人に伝わってきます。

小・中・高校生の部【入選】

作品 学校名 お名前
雪とけて春のにおいに誘われる 広島市立美鈴が丘高等学校二年 楠  裕美
ホームラン入道雲に消えてゆく 広島市立美鈴が丘高等学校二年 木原 美沙
雨の粒あたって揺れる蓮の花 広島市立瀬野川東中学校三年 平石  瞳
清流の命輝き蛍かな 広島市立瀬野川東中学校三年 槇場 達哉
風鈴の音もしないで明ける夜 福山市立誠之中学校三年 細羽  航
熱帯夜うちわだけでは眠れない 福山市立誠之中学校三年 渡辺 裕也
戦争が悲惨を語る原爆だ 三次市立三次中学校三年 藤田光太郎
猛暑日に仕事に帰る父送る 呉市立横路中学校一年 木村 洸太
庭に干すサヨリのカーテン揺れている 福山市立走島中学校三年 村上 昌吾
鬼やんまちょうを食べ終え羽残る 広島市立可部小学校五年 森元 大空
クワガタのじまんの体ビカビカと 庄原市立口北小学校二年 塩音 諒輔
ぶらんこに乗れば風ともお友達 三原市立小泉小学校五年 高重 月南
女郎ぐもえさが来るまで動かない 三原市立小泉小学校六年 大本 瑞基
ちょうちんをともし先祖を待つお盆 三次市立仁賀小学校五年 藤川 岳斗
虹の橋いつかはのってみたいなあ 坂町立横浜小学校二年 黒木 優衣
はかまいりご先ぞさまは夜の星 竹原市立荘野小学校四年 槇川 遊海
うぐいすのなき声いつもめをさます 竹原市立荘野小学校五年 沖本菜々子
メダカさんかえっていたよとう明だ 竹原市立荘野小学校五年 谷  優里
あめんぼが川の流れをつかんでる 庄原市立西城小学校四年 山口 実月
せせらぎとかじかの声が交り合う 庄原市立西城小学校五年 大田 真冬

一般の部【特選】

作品 地域 お名前
蛇を見し怖さが足に残りをり 福山市 佐藤 静枝
【評】蛇嫌いが蛇を見たショックで、足が強張った感触を「足に怖さが残る」と詩的に表現して臨場感に溢れている。
我が代で閉づる呉服屋夏暖簾 福山市 佐藤 浩子
【評】和服離れや、量販店の進出で時代は急変した。先祖からの店の暖簾を自分の代で下ろさねばならない無念さ。
約束の反故には出来ぬ残暑かな 福山市 広川 良子
【評】厳しい残暑で気分もすぐれないが、約束だけは反故には出来ない。心理描写を季題に代弁させて成功している。
飛行機の浮輪のぼくはパイロット 福山市 早間 幸枝
【評】ゼット機形の浮き輪に跨る子供の得意気な様子がリアルに描写されていて、微笑ましい作品になった。
露けしや子規虚子の世へまた一人 福山市 杉原 芳子
【評】逝かれた俳人は、虚子直系の名のある人らしい。子規、虚子の居る俳諧国へ旅立たれた人を悼む心情に打たれる。

一般の部【入選】

作品 地域 お名前
原爆のドーム掠めて鳥渡る 福山市 伊東 建二
脱ぎ捨つる汗に重たき野良着かな 福山市 世良 正子
語りたく語れぬままに原爆忌 広島市 林 たかし
灯明銭子らの集める地蔵盆 尾道市 浜本真知子
一枚の山田に一人風光る 広島市 谷山 恭子
霧の峰磐梯山を抱きけり 福山市 田中 将道
パソコンの中のごみ箱ちちろ鳴く 江田島市 山口 美智
母逝きし島を去る子に青蜜柑 福山市 小林 聖二
大根も干して看取りを怠らず 福山市 亀井 福恵
絶え間なき夏鶯や納骨す 広島市 天野  泰
晴やかな優勝旗授与汗涼し 尾道市 日田 富恵
婚約の成り満天の星涼し 福山市 寺岡 令子
撒水の虹に戯れ秋の蝶 庄原市 矢崎 稔子
脱ぎ捨てて身の置き所なき大暑 福山市 小林 照二
廃線となりし駅舎の蝉時雨 広島市 大久保喜久子
漆掻吾子も抱けぬ日でありぬ 福山市 佐藤八重子
神の子の一番太鼓手火祭 福山市 佐藤 安子
終戦日雲の流れをみてゐたり 東広島市 清岡 早苗
いにしえの海を抱きて山眠る 府中市 山口 織音
曾孫抱き夫の墓前に詣でけり 府中市 河本  香