けんみん文化祭ひろしま’10文芸祭合同大会
トップページ 事業概要 けんみん文化祭ひろしま'10 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】三浦宏 選

【川柳】題「閉じる」 三浦宏 選


※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。

【特選】

作品 地域 お名前
眼を閉じてはじめて見えるものがある 広島市 浅原志ん洋
【評】親子の情愛一つにしても、分からないことは多い。静かに考えれば、きっと気づかされるはずである。
キーボード叩いてこころ閉じたまま 豊田郡大崎上島町 藤解 千菊
【評】鍵盤に触れれば心を開いて対応してくれる。面倒な人間関係に煩わされず、のめり込む人も多いとか。
コンビニに閉じた心が落ちている 安芸郡坂町 西谷須恵子
【評】コンビニの大勢の中に、心閉ざした人を潜りこませた描写が絶妙で、前句同様、現代社会の一面を切り取った。
日記帳閉じて明日の策を練る 呉市 玉理由貴美
【評】今日の反省の上に立った、明日からの計画が心地よい。深刻なばかりが重みのある句とは限らない。
夜ぐらい閉じたかろうに胡蝶蘭 竹原市 土井 輝恵
【評】擬人法を巧みに使って、新種開発にも抜け目ない胡蝶蘭に近づき、深い同情を寄せた一句。

【入選】

作品 地域 お名前
街灯に読む閉店を告げる紙 安芸郡府中町 島田 郁夫
閉じ込めた過去がわたしを呼びに来る 東広島市 増田マスヱ
窓を閉じながら明日の風を読む 東広島市 新開 啓子
アルバムを閉じると若い風に逢う 三次市 佐藤 昌樹
目を閉じて時の流れに添ってみる 広島市 大杉 卓雄
雪積もる「蟹工船」をそっと閉ず 庄原市 林  武志
目が閉じる本が嗤った昼下がり 広島市 近末 夕子
料理本閉じていつもの目分量 竹原市 室  晃二
閉じるとき立体絵本会釈する 広島市 梶本 忠司
息吸って吸ってファスナー閉じたけど 呉市 平見 光子
目を閉じて口蹄疫を牛に告げ 廿日市市 山根 博昭
ケータイを閉じれば開くコンパクト 竹原市 栄谷 和則
すぐ閉じた手術本人知らぬまま 安芸郡坂町 大畠美津子
忘れたき思い出もあり箱閉じる 広島市 伊藤 育子
白くなる為に時々目を閉じる 広島市 河崎 和美
じっと目を閉じ真実を見極める 広島市 沖野佐和子
あいさつで閉じた心をそっと開け 尾道市 山崎 尚美
閉校を知らず今年もツバメの巣 呉市 西岡 信彦
遮断機が下りて気付いた軽はずみ 広島市 高東八千代
澄み切った空を知らない引きこもり 広島市 吉川 照子