コトブキ技研工業株式会社
2024.04.01 企業等2019年3月に完成した新社屋
公益財団法人ひろしま文化振興財団では、財団の活動に対し、ご理解とご協力をいただけるよう会員制度「ひろしまメセナ会」をつくり、広く皆様のお力添えを求めております。会費は、文化活動団体への助成や広島文化賞の贈呈などの継続事業、県民や企業が求める芸術文化の普及と向上に向けた事業の財源として活用しております。
「ひろしまメセナ会」に入会いただき、当財団を応援していただいている企業の皆様をご紹介するズームアップシリーズ、今回は、コトブキ技研工業株式会社様(呉市)です。
脱炭素に向けて活躍が期待できる製品「高品質再生骨材製造システムResco(リスコ)」
1935年に呉市阿賀町で母体となる「奥原工作所」が創業、コトブキ技研工業株式会社は1979年に設立されました。
当社は大きく3つの柱となる事業を行っています。1つ目は高層ビルやダム、高速道路などを造るコンクリートやアスファルトの原料となる骨材を製造する「破砕機」を販売しており、その主な活躍場は砕石場です。山から採取した大きな岩石を様々なサイズに破砕、選別します。又、解体した建築廃材から元の骨材を取り出し、再利用するリサイクルにも力を注ぎ持続可能な循環型社会の実現を目指しています。2つ目は住宅やビルなどの鉄骨の基礎に使われる「柱脚」の販売を行っており、施工性に優れ、地震大国日本の耐震建築をサポートしています。3つ目はトンネルの工事現場で使用される「ずり積機」のレンタル販売を行っており、トンネル掘削のノウハウを備え、全国の掘削現場で活躍しています。
現在、これまで培ってきた技術と、当社のキーテクノロジーである「破砕」を活かし、カーボンニュートラルの実現を目指しています。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援するグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」のもと、全国55の企業・大学・研究機関がコンソーシアム「CUCO(クーコ)」を結成し、我が社も参画しました。当事業は3年目を迎え、2030年までを目標に革新的カーボンネガティブコンクリートに係る研究開発を進めています。資源もCO2も循環できれば将来的にはCO2排出ゼロ以下のマイナスにできる「カーボンネガティブ」も夢ではないと考えます。
また、地域活性事業への支援活動にも力を入れています。広島県が掲げる温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けた「2050ひろしまネット・ゼロカーボン」の取組の一環として本県が発行するグリーンボンドに投資、広島大学が行事・イベントを開催して広島の地を盛り上げる基金事業に協賛、知的障がいのあるアスリートにトレーニングや競技の場を提供している団体の支援、地元呉市の象徴でもある戦艦大和のデザインマンホールを呉市に寄贈するなど、様々な取組みで地域の活性化に寄与しています。
5年後は会社設立50周年の節目の年でもあり、コトブキ技研工業発の未来技術の種まき期と捉えています。脱炭素経営、地域・社会貢献だけでなく働き方改革などやるべき取組みを着実に行い、今以上に地域から愛され、必要とされる企業となるよう挑戦を続けてまいります。
コトブキ技研工業株式会社 代表取締役社長
奥原祥司
呉市に寄贈した戦艦大和の記念マンホール