「広島文化賞」受賞者紹介シリーズ 第2回 三原捷宏さん
2019.04.01 アーティスト洋画家 三原捷宏さん
「広島文化賞」受賞者紹介シリーズ 第2回目は、
第35回 広島文化賞を受賞された、三原捷宏さん(広島市佐伯区在住)さんです。
三原さんは、洋画家として長年「日洋展」「日展」で活躍されるとともに、美術教育にも尽力され、広島県の洋画壇を牽引されています。
受賞当時のインタビュー内容をご紹介します(2015年1月)。
――:広島文化賞の受賞 おめでとうございます。
ありがとうございます。今迄に良き師や多くの友に恵まれ、支えられ励まされて今日があります。その方達皆に与えられた賞であり、たまたまその代表としていただいたもので、今まで支援していただいた皆様に心から感謝いたしますと同時に、これを支えとしてより一層作品制作に専心したいと思っています。
三原さんの作品 『海景・遠雷』
――:日頃はどのような活動をしておられますか?
自分の油絵制作と資料収集のためのスケッチ旅行を中心にしたいのですが、なかなかそうもいきません。所属している日展や日洋会の色々なお世話や、各地での展覧会の開催、そして研究会での普及活動など、出かけることが多く、もう少し自分の時間が多くなることを願っています。
――:「海」を描き続ける理由等があればお聞かせください。
海の側に生活し、瀬戸内の光と風と空気とに取り囲まれていると、その自然とそこに住む人間との関わりを見つめてみたいと思うようになりました。その対象がたまたま瀬戸内の海であったり、外海の波であったりしているだけで、海という自然を通して自分自身を描いているに過ぎない気がします。海が最も自己を託せる対象というだけのことです。
三原さんの作品 『瀬戸内の朝』
――:現在取り組んでおられることや今後に向けて等、ひと言いただけますか?
瀬戸内の人と自然との関わりから出発し、やがて海そのものに魅せられ、外海の波そのものであったり岩と波の関係であったり…をモチーフとして長い間取り組んできましたが、もう一度静かな瀬戸内の自然の美しさにも目を向けてみたいと思うようになってきました。かといって、外海の激しい海や波も魅力があり、暫く動と静の空間を対比しながら取り組む中で自分なりの美意識の確立を目指してみたいと思います。それが自分の油絵の集大成になれば幸いです。
三原さん、ありがとうございました。
※この記事は、ブンカッキーネットひろしま ひろしま文化・芸術情報ネットにて2015年1月17日に公開されました。
インタビューの内容は取材当時のものです。
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